「九条美術の会」が発足
発起人9人、呼びかけ人142人
2004年6月10日に井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子さんの九氏による「九条の会」の発足を受けて、美術の分野でも美術ならではの知恵と力の発揮はできないものか、と昨年の12月以来準備会を重ねてきました。
幅広い美術関係者と話し合う中、「『九条の会』アピールを広げる美術の会」を結成しようと九氏の発起人によるアピールを発表し、呼びかけ人依頼を進 め、132人(6/18現在、その後142人に)の受諾を受け、6月18日に東京の厚生年金会館において「呼びかけ人会」を開催し、「九条美術の会」(略称)のアピールと会の発足を確認、今後の活動について美術家らしい創意ある取り組みを話し合いました。
「呼びかけ人会」には発起人から、岡部昭氏、川上十郎氏が、呼びかけ人からは小野絵里氏、上原二郎氏、永井潔氏、武居利史氏ら13人が出席し、戦争 体験や平和と 表現の自由を守る運動についてこもごも語られ、憲法九条を守る一点での美術関係者の協力共同の重要性が訴えられました。
6月18日に発足・記者会見
「呼びかけ人会」に引き続いて、記者会見を行い、会の発足を発表しました。会見 には朝日新聞・東京新聞・新聞「赤旗」の記者が参加しました。
新聞報道から
朝日新聞・文化芸能欄「縦横コラム」6/24 新聞「赤旗」6/19
縦横コラム 「風化」 朝日新聞・文化芸能欄「縦横コラム」6/24
戦争の記憶と赤ペンキの跡 6月18日に、美術界で起きた二つの出来事の脈絡が妙に気になっている。
ひとつは、東京・新宿での「『九条の会アピールを広げる美術の会」(略称・九条美術の会)の発会。
昨年6月に井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、加藤周一ら9氏が「日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため」に集まっ て発足したのが「九条の会」。同会のアピールの趣旨に賛同した人々が、ジャンルや地域ごとに支援する会を作っており、その美術界版が「九条美術の会」だ。
美術関係では神奈川県内に同様の会が発足しているけれど全国規模の組織は初めて。彫刻家佐藤忠良や画家野見山暁治、美術史家・評論家の水尾比呂志ら 9氏が発起人に名を連ねる。署名・カンパを集めたり、講濱会を開催したりする方針だ(事務局・十滝歌喜方=電話とファクスは04・2998・7625)。
もうひとつは、同日、長野県上田市の戦没画学生慰霊美術館「無言館」で発覚した心ない事件だ。前庭にある慰霊碑「記億のパレット」に赤いペンキがかけられていた。そしてなんと同館の窪島誠一郎館主は、「九条美術の会」発起人の1人でもあったのである。
「犯人」はまだ見つかっておらず、本当の意図はわかっていない。だが、同館は、ペンキはほぼ除去したものの、一部はあえてそのまま残すことにしたと いう。窪島館主は「戦没画学生についても、彼らを慰霊するこうした活動についても、色々な意見があるのは当然だし、私自身ふらついている」と話す。「事 件」の痕跡を残して、自身も来館者もさらに考えを深められたら、ということか。 戦争体験や同時代の記憶の風化が言われて久しい。けれども、きなくささが増す昨今の政治状況や、精神・思想の現況を示すようなな赤ペンキはどのように「風 化」していくのだろうか。(編集委員・田中三蔵)
九条美術の会発足 141氏が呼びかけ人に 新聞「赤旗」6/19
美術家・美術関係者でつくる「『九条の会』アピールを広げる美術の会」(略称・九条美術の会)が十八日、東京都内で発会し、記者会見を行いました。
九条美術の会は、大野五郎(画家)、岡部昭(工芸家)、川上十郎(画家)、窪島誠一郎(無言館館主)、佐藤忠良(彫刻家)、鳥居敏文(画家)、西常 雄(彫刻家)、野見山暁治(画家)、水尾比呂志(評論家)の九氏が発起人となり、結成を呼びかけていたもの。六月十七日までに妹尾河童(舞台美術)、建畠 覚造(彫刻家)、舟越桂(彫刻家)など百四十一人が呼びかけ人となりました。
この日の発会式では、同会のアピールを正式に採択。当面、五千人から六千人を目標にアピールへの賛同をよびかける方針を確認しました。アピールは美術家・美術関係者に、憲法九条を守る一点で「『戦争をする国』に逆もどりさせない運動」を広げることを呼びかけています。
四月に結成された美術・九条の会(横浜)や準備がすすめられている各地の会と連携することなどが話し合われました。
戦争の記憶と赤ペンキの跡 6月18日に、美術界で起きた二つの出来事の脈絡が妙に気になっている。
ひとつは、東京・新宿での「『九条の会アピールを広げる美術の会」(略称・九条美術の会)の発会。
昨年6月に井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、加藤周一ら9氏が「日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため」に集まっ て発足したのが「九条の会」。同会のアピールの趣旨に賛同した人々が、ジャンルや地域ごとに支援する会を作っており、その美術界版が「九条美術の会」だ。
美術関係では神奈川県内に同様の会が発足しているけれど全国規模の組織は初めて。彫刻家佐藤忠良や画家野見山暁治、美術史家・評論家の水尾比呂志ら 9氏が発起人に名を連ねる。署名・カンパを集めたり、講濱会を開催したりする方針だ(事務局・十滝歌喜方=電話とファクスは04・2998・7625)。
もうひとつは、同日、長野県上田市の戦没画学生慰霊美術館「無言館」で発覚した心ない事件だ。前庭にある慰霊碑「記億のパレット」に赤いペンキがかけられていた。そしてなんと同館の窪島誠一郎館主は、「九条美術の会」発起人の1人でもあったのである。
「犯人」はまだ見つかっておらず、本当の意図はわかっていない。だが、同館は、ペンキはほぼ除去したものの、一部はあえてそのまま残すことにしたと いう。窪島館主は「戦没画学生についても、彼らを慰霊するこうした活動についても、色々な意見があるのは当然だし、私自身ふらついている」と話す。「事 件」の痕跡を残して、自身も来館者もさらに考えを深められたら、ということか。 戦争体験や同時代の記憶の風化が言われて久しい。けれども、きなくささが増す昨今の政治状況や、精神・思想の現況を示すようなな赤ペンキはどのように「風 化」していくのだろうか。(編集委員・田中三蔵)
九条美術の会発足 141氏が呼びかけ人に 新聞「赤旗」6/19
美術家・美術関係者でつくる「『九条の会』アピールを広げる美術の会」(略称・九条美術の会)が十八日、東京都内で発会し、記者会見を行いました。
九条美術の会は、大野五郎(画家)、岡部昭(工芸家)、川上十郎(画家)、窪島誠一郎(無言館館主)、佐藤忠良(彫刻家)、鳥居敏文(画家)、西常 雄(彫刻家)、野見山暁治(画家)、水尾比呂志(評論家)の九氏が発起人となり、結成を呼びかけていたもの。六月十七日までに妹尾河童(舞台美術)、建畠 覚造(彫刻家)、舟越桂(彫刻家)など百四十一人が呼びかけ人となりました。
この日の発会式では、同会のアピールを正式に採択。当面、五千人から六千人を目標にアピールへの賛同をよびかける方針を確認しました。アピールは美術家・美術関係者に、憲法九条を守る一点で「『戦争をする国』に逆もどりさせない運動」を広げることを呼びかけています。
四月に結成された美術・九条の会(横浜)や準備がすすめられている各地の会と連携することなどが話し合われました。