第5回九条美術展
2016/2.16(火)~21(日)
9:30~17:30 (初日は14:00から、最終日は13:30まで)
東京都美術館
講演会「『少年H』で伝えたかったこと」
妹尾河童氏 (舞台美術家・エッセイスト)
2月19日(金) 14:00~16:30
東京都美術館講堂 参加費 500円
〈略歴〉
1930年(昭和5年)神戸市生れ、現代日本を代表する舞台美術家。また、エッセイストとしても知られ、細密イラスト入りの『河童が覗いたヨーロッパ』『河童が覗いたインド』などの他、自伝的小説『少年H』は、驚異的ミリオンセラーで話題になり、「毎日出版文化賞」を受賞。海外でも各国語に翻訳され、2013年には水谷豊・伊藤蘭夫婦出演で『少年H』は映画化された。
深く静かな心情 野見山暁治(画家)
わたしがうまれたころ、日本は武力によって世界の列強国の仲間入りをし、やがてわたしが青年期に達したとき、日本は大きな戦争に突入しました。戦争の是非については、どうにも自分で判断がつかないまま、わたしは兵隊としてソ連領近くの国境に往きました。それは僅かの期間でしたが、人と殺しあうかもしれないその現場に、立たされたのです。いま、わたしたちは、そういうことをしてはいけないと、はっきり言える。しかし、平和を訴えるというのは、戦火の外に身を置くという安易なことではなく、それを遵守するためには血をながすこともかくごしなければならない、そういう深く静かな信条であろうと思います。
九条は全人類のもの 辻 惟雄(美術史家)
これまで政治に無関心であった若者がサッと動いたのが救いです。願わくば、今度の事で負けたと思って再び無関心にならないよう。私はもはや83才、君たちの粘り強い闘いを祈ります。安保法は破防法と同じく、使えないものにするよう。九条は日本のものだけでなく、全人類のものです。
「平和」がほしいだけ 窪島誠―郎(「信濃デッサン館」「無言館」館主・作家)
窓をあければ、ふるさとの海がみえる。美しい野山がみえる。輝く太陽が昇る。働く人がいる。愛する恋人たちがいる。子どもたちの元気な声が聞こえる。ピアノを弾く人がいる。絵を描く人がいる。
そんな当たり前の風景がほしいだけ。あらそいのない、おだやかな、だれもが生きる喜びを味わえる「平和」がほしいだけ。
国民の力の結集を 武居利史(美術評論家)
戦後七十年にあたり、安倍首相は「二十一世紀にふさわしい未来志向の談話」の発表を目指している。二十年前初めて政府は公式に先の戦争での「植民地支配と侵略」を認める「村山談話」を出した。だが、安倍政権はそれらの戦争も談話も過去のものとして忘却しようと努めている。なぜなら、ふたたび日本を戦争ができる国にかえたいからであろう。
この乱暴な企みを打ち破るため、憲法九条を活かす国民の力をいまこそ結集させようではないか。